欧米の多価ワクチン

小児科ブログ 2016.4.18

4月から、都内23区すべてでBCG接種が医療機関での個別接種となり、
他の区の住民でも接種が可能な相互乗り入れとなりました。
また以前もブログで報告しましたB型肝炎ワクチン接種も本年10月に定期接種化が
決定されております。
更に現在はまだ任意接種のロタウイルスワクチン、おたふくワクチンの
定期接種化の検討も進んでいるようです。
 
ワクチン後進国と言われていました日本もようやく欧米に近づいてきたように感じます。
数年前まで、乳児期前半にクリニックで行う予防接種は、3種混合ワクチンだけでしたが、
最近では不活化ポリオワクチンが加わった4種混合ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、
B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンの5種類を同時に接種することが多いのが現状です。
そのため接種するワクチンが多くなり、接種開始時期や接種間隔が異なることも
不適切接種を引き起こす一因と言われております。
 
そこで欧米では、4種混合ワクチンにヒブ、B型肝炎の6種類のワクチンが
前もって混合された多価ワクチンが使用されています。                                                                    
日本では平成5年に無菌性髄膜炎の副反応のために使用中止となった麻疹・風疹・
おたふくかぜ混合ワクチン(MMRワクチン)の再開発も進んでいると聞きますが、
これも欧米では既に使用されており、
更に水痘ワクチンを混合したMMRVワクチンも使用されています。
 
今後、上記内容の事を踏まえて、
海外で実績のある6種混合ワクチンやMMRVワクチンなどの多価ワクチンの
導入も検討されるべきでしょう。