H28年診療報酬改定について

処方に関する項目の抜粋

H28年診療報酬改定から数日が経ちました。
今回はクリニックにとって大きな改定はありませんでしたので、準備は順調だったのではないでしょうか。

 

レセコン・電子カルテによっては新設の項目がうまく入力できないなど、まだ調整段階の項目もあるかと思います。

診療報酬改定の「疑義解釈(その1)」も上がっていますので、不明な項目は確認してみるのも良いかもしれません。

 

>>「疑義解釈(その1)」


今回は特に身近な処方についての項目について何点か上げておきます。

 

 

処方せんの様式についてですが、
医療機関と薬局の連携による残薬に伴う日数調整として、下記が上がっています。

 

①処方医と薬局の薬剤師が連携して、円滑に患者の残薬確認と残薬に伴う調剤数量調整等が実施できるよう、
 処方せん様式に調剤時に残薬を確認した場合の対応を記載する欄を設ける。
②当該欄にチェックがある場合は、薬局において患者の残薬の有無を確認し、残薬が確認された場合には、
 【医療機関へ疑義照会した上で調剤】 【医療機関へ情報提供】 のいずれかの対応を行う。とのことです。

 

4月1日より、処方せんに上記2つの項目が追加されているかと思います。
医師が薬局に対して残薬の確認をして欲しい時、どちらかにチェックし指示するものですが、既に使用された先生もいらっしゃると思います。
これは、薬局が残薬に応じて処方医の了解なく投与日数を変更することが可能となったものではありません。
患者さんに確認をして、残薬があった場合に限り「疑義照会」もしくは「情報提供」をします。
チェックをつけても、残薬が無ければ薬局は必ず「疑義照会」「情報提供」をしないといけない訳ではないのですね。

 

薬局では、疑義照会をして薬剤が減った場合、「重複投薬・相互作用等防止加算」、医療機関の求めに応じて情報提供を行った場合には「服薬情報等提供料」が、その他算定要件を満たせば算定が可能となります。

 


湿布薬の処方についてですが、
一度に多量の湿布薬が処方される例が一定程度あり、地域によっても状況が多様であることから、
医薬品の適正給付の観点より以下の対応を実施する。とあります。

 

①外来患者に対して、1処方につき計70枚を超えて投薬する場合は、当該超過分の薬剤料を算定しない。
 ただし、医師が医学上の必要性があると判断し、やむを得ず計70枚を超えて投薬する場合には、

 その理由を処方せん及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。
②湿布薬の処方時は、処方せん及び診療報酬明細書に、投薬全量の他

 1日分の用量又は何日分に相当するかを記載する。

 

①の注意点としては「1処方につき」とありますが、「疑義解釈(その1)(問128)」でも記載の通り、処方された湿布全体の合計で70枚となります。1種類でも2種類でも合計で70枚という事ですね。

 

また、②については70枚を超えていなくても、「1日分の用量又は何日分に相当するか」の記載が必要となり、
「院内処方の場合はレセプト適応欄」「院外処方の場合は処方箋の処方欄」に記載する事となっていますので、併せて確認しておきたい内容です。

 


一般名処方加算等の見直しについてですが、
後発医薬品の更なる使用促進を図るため、後発医薬品が存在する全ての医薬品を一般名で処方している場合の評価を新設する。とあります。

 

現行が「一般名処方加算:2点」が、交付した処方せんに1品目でも一般名処方が含まれている場合に算定できます。

 

改定後ですが、
一般名処方加算1:3点
一般名処方加算2:2点
交付した処方せんに1品目でも一般名処方が含まれている場合には加算2を算定でき、後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方されている場合には加算1を算定できます。
ただし、1品目のみの処方せんでは加算1は算定できないとのことです。

 

ちょっとした事ですが日々の事ですので、ご使用されているレセコン・電子カルテでどう設定できるかを確認し運用に活かしたいところです。
採用薬として登録されている医薬品に個別に一般名処方可とチェックを入れたり、前もってすべての医薬品に一般名処方可とチェック、または処方の都度、個別もしくは全体にチェックするなど、設定があるかと思います。

 

あと、処方時に後発医薬品の銘柄を記載した上で変更不可とする場合には、処方せんにその理由を記載する。とあります。
先生のお考えや、患者さんからこの後発品の相性が良いなどのご相談など、処方せんにて指定される場合は理由が必要となりますので押さえておきたいですね。

 


最後に処方とは関係がないのですが、「鼻腔・咽頭ぬぐい液採取料」についてよく使用するかと思いますので記載します。
検体採取の評価として、「鼻腔・咽頭拭い液採取料:5点」が新設されています。
主にインフルエンザや溶連菌の検査にて算定できます。

 

こちらも、ご使用されているレセコン・電子カルテにもよりますが、現状では自動で算定されない機種が多いかと思いますので、入力のセット組み、または都度入力するなど、設定を確認しておきたいですね。

 

 

レセプト請求時に困らないように4月中は意識し確認していきたいですね。
疑義解釈や各システムによって4月中にもアップデートや入力方法について追加内容がでたりしますので、

順次確認・対応が必要かと思います。