①保険請求について

〜保険請求のしくみ〜

保険請求のしくみについて、簡単にまとめてみます。


保険診療を受ける際、患者様は保険者に保険料を支払うことで「保険証」が交付されます。
その保険証をクリニック(保険医療機関)に提示することで、保険診療を受けることができます。
クリニックの窓口で自己負担分(基本3割負担)を支払えば良いわけですが、
ここまでは誰でも知っている内容ですね。


では、残りの7割(自己負担分以外)の請求についてですが、
クリニックはレセプト(診療報酬明細書)を作成して請求します。
その際の請求先は保険者に直接ではなく中間審査機関になります。また、請求分の報酬はクリニックへ中間審査機関から支払(仮払い)われます。

中間審査期間ですが「国民健康保険団体連合会」「社会保険診療報酬支払基金」の2つになります。
ご存知の通り国保と社保にわかれますが、レセプトはこの2つの機関へ請求します。
 ※次回保険証の話で詳しく記載いたしますが、介護保険や労災は別請求となります。

【請求の流れを下記にまとめます】

クリニック

⇨ (レセプト) ⇨

⇦ (医療費)  ⇦

支払基金

⇨ (レセプト) ⇨

⇦  (支払)  ⇦

保険者
国保連合会

 ※ 中間審査期間からの支払いは翌々月の20日になります。
 ※ レセプト提出期間(オンライン請求)5日~10日 8:00~21:00(10日は24:00まで)

 例)1月分の診療は2/10までに提出し、3/20に振り込まれます。


中間審査機関及び保険者では、レセプトが正しく記載されているか、請求の内容が正しいか等チェックします。
主に患者様の情報や記載漏れなどがある場合は、返戻(へんれい)としてクリニックへレセプトが戻され、
適応の病名がない処置や処方・検査、算定条件を満たしていない項目等は減点されて毎月の医療費より相殺されます。

※院外処方の場合でも、処方した薬が不適切な場合クリニックより薬の薬価分も減点されるので注意が必要です。

返戻は訂正して再請求すれば良いのですが、減点については返ってきませんので必要に応じて「再審査請求」を提出します。
病名漏れは殆どが認められないようです。


最後に、返戻で一番多いのが資格誤りです。
当然ですが、保険証の確認・登録はしっかりとする必要があります。

退職(社保)や引っ越し、負担割合の変更(国保)など、保険証が変更になるタイミングは多いです。
また、患者様が故意に資格喪失している保険証を提示するケースもあります。
その際、資格が切れていますので、レセプト請求後に保険者より返戻の可否を電話にて聞かれることがあります。
資格喪失した保険証は会社等に回収の義務があり、クリニックに過失はない為、
返戻の拒否も可能ですので覚えておいて頂ければと思います。